紬パイセンの着物道楽

着物でお出かけを楽しみたい方へ

【京都・小旅行】千両ヶ辻の着物祭りへ行ってみた

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9月23日、秋分の日に京都の千両ヶ辻祭りを見に行ってきました。

着物に関係のあるお祭りだから着物で出かけたかったのですが、台風15号と重なり朝から雨だったので、洋服で行くことにしました。

 

「地元の人でもあまり知られていないお祭りなのに、よく知ってましたね」と言われました。ディープな京都の旅がしたい方や着物で京都を観光したい方には、千両ヶ辻近辺はおもしろいかもしれませんよ。

千両ヶ辻祭りの概要

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開催日時:令和4年9月23日(金・秋分の日) 10時~16時30分

会場:京都市上京区 大宮通五辻通中立売通)周辺

着物のまち、千両ヶ辻の場所

千両ヶ辻は、江戸時代から生糸や織物問屋が並び、生糸や織物の取引で1日に千両が動いたといういわれがあり、その名がついたそうです。築100年を超える町家があり、見学することができます。

 

9月23日は近くにある清明神社でお祭りがあり、それに合わせて千両ヶ辻でも祭りが開催されるようになりました。今回で18回目(コロナの影響で3年ぶり)の開催です。

 

京都駅からバスで30分くらいで着いたと思います。ただ、「大宮中立売」で降りなければならないところを、間違えて1つ手前の「堀川中立売」で降りてしまって、少し余分に歩きました。中立売がいくつもあるとは思ってなくて、中立売に反応して降りてしまいました。

雨で中止になったイベント

台風15号の影響で雨が降っており、中止になったイベントもありました。

中止されたイベント

  • 上京中学校吹奏楽部 演奏会
  • 着物でそぞろ歩き
  • 着物ショウ
  • 人力車乗車体験(同志社大学人力俥友之会)

着物でそぞろ歩きは、私もエントリーしていたんですが前日に中止の連絡がありました。残念ですが、また来年リベンジしたいと思います。

周ったルートと見所

今回私が回ったのは、会場の地図の一番下にあるユニクロからスタートし、上に向かって進み、清明神社のお祭り・西陣会館を見学、北野天満宮の方へ向かうコースにしました。

西陣くらしの美術館 冨田屋」で町家見学

※室内のカメラ撮影、練習中。

 

昔の調度品などがそのまま残されており、素敵でした。中が自由に見学できるようになており、小物や着物の販売もされていました。

「京そめ塾」築150年の町家公開・手摺り型友禅体験

町家見学と友禅の体験ができ、和小物やお茶葉を販売されていました。奥に入ると友禅の着物が作られるまでの工程と、友禅の着物が飾ってありました。

「上香園」でちょっと一息

友禅の町家の前できれいなドリンクを販売していたので、その中の一つ抹茶レモンソーダを注文しました。京都らしくお抹茶を点ててくれて、レモンソーダの上に抹茶をかけます。

 

意外ですが(失礼!)、レモンも抹茶もどちらも味がしっかりしているのに飲みやすくて美味しかったです。レモンソーダの酸味が少なく、甘めだったので抹茶と相性が良いのかもしれません。

 

ちょっと後悔したのが、お店の前で飲み切ってから次に移動すれば良かったです。町家の軒下でスコーンやドリンクを販売しているお店が多かったので、食べながら歩いてもゴミ箱があるだろうと思っていたのですが、全然見当たらず。

「JK’vegetable garden」ドライフラワーとちょっと変わった野菜の販売

抹茶レモンソーダを購入したお隣では、ドライフラワーと見慣れない野菜の販売がありました。唐辛子は茎から取りはずしていなくて、このままドライフラワーにして楽しんでから料理に使ってもいいとおっしゃってて、色んな楽しみかたがあるんだなぁ、と勉強になりました。

 

2つ購入したのですが、右の袋に入っているのはシソの実です。売っているのは初めて見ました。塩漬けにしておにぎりにすると美味しいらしいです。他にもレシピがないか探してみます。

 

そして左のやつがなんだったか思い出せなくて、豚バラと一緒に炒めると美味しい、と言われたことしか覚えていないという。。。食い意地がすごい(笑)

「瓢堂珈琲」でお昼代わりの飲茶

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祭りのメインストリートから少し逸れたところ、清明神社の近くにある「瓢堂珈琲」という飲茶のお店に入りました。ちょっと狭いお店なのでたくさんは入れませんが、おしゃれできれいなお店でした。

 

お昼は飲茶一択で、シュウマイ×2、水餃子×2、ちまき、スープ、お茶のセットです。正直「少なっ!」って思いましたが、めっちゃ美味しいです(でもやっぱり2時間くらいですぐにお腹空いてしまいました)。

 

餃子の肉汁とタレには注意が必要ですが、着物で来ても食べやすいのでいいと思います。

 

なかでも特に、お茶が美味しかったです!!今まで飲んだことのない味のお茶で、緑茶ともジャスミン茶とも違うし、でもさっぱりしていてシューマイみたいなお肉との相性がすごく良い!

 

帰り際に「どんなお茶使ってるんですか?」って聞いてしまいました。

 

出されたお茶は、梨山茶」という烏龍茶なんだそうです。市販の烏龍茶とは全然味が違うので、気になったかたは試してみてください。


 

 

以上で、千両ヶ辻祭りの見学を終えました。紹介はしませんでしたが、着物や和小物の激安バザーなどもやっていました。

 

着物クイズとかに戻ろうかとも思いましたが、中途半端な時間になってしまったので、清明神社の様子を見て西陣会館へ行くことにしました。

 

清明神社では屋台やおみこしが出てました。でも人が多くて、雨でおみこしにビニールがかかっていたので、めぼしい写真も撮れずです。

西陣会館の見学

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西陣会館は織物をテーマにした施設で、職人さんの制作実演を見学できます。機織り機があり、川島織物の和小物などが販売されているほか、八つ橋のお土産コーナーもありました。

 

市街地に観光客の多い日でも西陣会館は人が少なく、ゆっくり施設のなかを見学できました。

友禅の下書きを見学

正絹の反物に、墨で友禅の絵柄を下書きしているところを見学しました。友禅の絵を描かれるようになって65年だそうです。下絵の上に生地をおいて、なぞっています。模様は後ろにかけてある反物と同じ柄です。

むかしは「作家」と呼ばれたこともあるけど「職人」を目指してやってきた、とおっしゃってました。私も作家が作ったものではなく、職人の作ったものを選ぶ傾向にあります。作り手側もやはりそう考えるのかと、ちょっと納得しました。

 

ここからは私の考えなのですが、作家と職人では何が違うのかというと、そもそも作家と名乗るのには根拠が必要なく、職人のように技術を客観的に測ることができません。もちろん作家の中にも人間国宝などになり、評価されている方はいます。

 

しかし作家の定義はあいまいで、愛好家や趣味、副業レベルでも作家だと言えばそれで通してしまえるところが、私は好きではありません。

 

これは着物小売業界の売り方にも問題があると思うのですが、作家ブームもあって見境なく「作家さんの作った着物」というくくりで売っていることがあります。私も過去に、着物の愛好家として有名な方がデザインした着物を勧められたことがありました。

 

一方職人は、きちんとした技術を身に付けなければ一人前と認められないため、その基準が作家より明確です。

 

もちろん着物のデザインが好きだったり、作家の人柄が気に入ったりしたなら、購入するのはとても良いと思います。ただ、着物業界での「作家さんが作った着物」というのは、注意したほうがいいと思います。余談が長くなってしまいました。

組みひも織りを見学

丸台を使って組みひもを織る実演をしており、こちらも見学させていただきました。

 

これまでに作られた組みひもの実物も見せていただきました。着物屋さんでは見たことがないようなデザインが色々あって、どれもかわいいです。機械で作られたものより、編み目一つ一つの粒がふっくらしていて、手織りの良さがでていました。

 

どの組みひもも色柄が素敵で、「こういうのって色の組み合わせが重要ですが、どうやって決めているんですか?」と質問しました。その答えは「慣れ」だそうです。

 

見本などを見ながらたくさん作っていくうち、色合わせを上手く決められるようになるそうです。編み目を間違えたり、途中まで作ってなんか色が違うってなった場合には、ほどいてやり直すとのことでした。

 

うーん、根気がいる仕事ですね。

感想

千両ヶ辻祭りは、着物で行けなかったのがとても残念でした。どうせなら着物ショーにも出たかった(´;ω;`) 着物そぞろ歩きなる企画は今年初めてだったそうで、初企画が初中止とはなんとも気の毒です。

 

ですが今も残る町家の見学は、このような機会にしかなかなかできないのでとても楽しかったです。どこの町家も清掃が行き届いていて、ほんとに大事に今に受け継がれていることがわかります。

 

実はこのあと、私は台風の影響で新幹線で家に帰れなくなり、急遽ホテルに泊まることになりました。雨コートもあるので着物でこれなくもなかったですが、正直着物で来なくてほんとによかったと思いました。

 

旅行のときはやはり天気と相談しなければいけませんね。

 

来年は着物でリベンジしたいと思います。

着物のコーデにバッグは何を合わせてる?

着物で出かけるとき、バッグは何を使おうか悩みませんか?

 

私は一眼レフカメラに水筒、朝ごはん用のおにぎりなど、お出かけするときには荷物が多めです。礼装用だとクラッチバッグなどでいいんですが、日帰り旅行のときなどは荷物が入りませんよね。

 

洋服で使っているバッグでも、合わせ方によっては着物でも十分使えます。

フォーマルなシーンで使うバッグ

フォーマルなシーンでは、小さめの上品なバッグを使うとよいでしょう。礼装用バッグやクラッチバッグなどがあります。

礼装用バッグ

礼装用バッグは、こんな感じのものです。冠婚葬祭で利用できます。

以下のようにフォーマルバッグには、草履とセットになっているものも多いので、コーデに悩むこともなくなりそうです。


 

クラッチバッグ

クラッチバッグは、手で持つタイプの小ぶりなバッグです。結婚式やパーティで使えます。セミフォーマルからカジュアルまで使えます。

利休バッグ

着物での装いで定番なのが、利休バッグです。一般的に和装バッグと同じ意味のようです。

 

こんな形で、着物姿と一番調和するのが利休バッグの形なのだそう。きちんとした素材としっかりした作りで、フォーマルなシーンでもカジュアルなシーンでも使うことができます。

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利休バッグが着物姿ではバランスのとれる形なので、要はこの形に近いバッグであれば、ほかのバッグでも着物のときに使えるということですね。サイズ感の参考にするとよいでしょう。

 

私は四角があまり好きではないので、山のかたちをしているバッグを選ぶことが多いです。こんなかたちのバッグも相性がいいと思います。(※COACHは実際に使っていません。形の参考までに。)

利休バッグのなかにも、カジュアルなシーンでしか使えないものもあるようですので、購入時にはしっかり確認しましょう。

カジュアルなシーンで使うバッグ

フォーマルで使えるバッグには、カジュアルなシーンで使えるものも多いですが、気張った印象になってしまいます。小物で遊ぶと着物の玄人感が出るように思います。

革・合皮バッグ

ブランドバッグでもいいですが、革のバッグもおしゃれです。合皮は、おしゃれなデザインも多く、雨の日も割と強いので重宝しています。利休バッグに近い形のバッグなら、着物とのバランスもよくなります。

 

多少バッグのサイズが大きくなっても、問題ありません。

カゴバッグ・アタバッグ

カジュアルなシーンでの夏着物や浴衣には、カゴバッグやアタバッグはおすすめです。

 

最近ではカラフルなカゴバッグも多いので、着物の色によってコーデを考えると楽しいと思います。ただし、カゴバッグはほつれやささくれがない素材を選ぶようにしましょう。安いカゴバッグも多く出回っていて、ささくれが着物にひっかかって穴があいてしまう可能性があります。

 

一方アタバッグとは、バリ島に自生する植物から作ったカゴバッグのことです。一般的なカゴバッグよりは高いのですが、素材が強くしっかり編まれているので経年劣化の影響が少ないバッグです。私も20年くらい前にちょっと高めのアタバッグを購入しましたが、まだしっかり使えます。

 

こんな形のバッグも着物に似合いそうですね。


 

巾着バッグ

巾着バッグは着物のときの定番でしょう。着物屋さんでは、着物の余りギレで作ってくれるところもあります。卒業式の袴や浴衣でも使えます。

 

ただしスマホ・財布などの小物しか入らないのが難点です。

斜め掛けバッグ

帯が傷むのであまりおすすめはしませんが、両手が空いて荷物もたくさん入れられるので、私が一番好きなスタイルです。帯を傷めないために羽織は必須です。

 

紬の着物に帆布やキルトのバッグを合わせると、丁稚さんみたいな気分になってなんだか楽しいんです。バッグを斜め掛けにし、その反対斜めに一眼レフカメラを掛けていることがよくあります。

着物のときに使わないほうがよいバッグ

トートバッグや持ち手が長いバッグは、着物とのバランスが悪くなるので、おすすめではありません。

バッグを着物に合わせて選んでみよう

バッグひとつの小物をとってみても、着物の着姿や印象が変わることがあります。和装バッグも良いものを探し始めるときりがないんですが、楽しくてやめられなくなりそうです。

 

着物と小物のコーディネートをぜひ楽しんでください。

 

着物でおでかけして帰宅した後すぐやるべき片付けの手順

着物でお出かけして帰宅したら、脱いで片付けをします。着物を片付けるなら、きちんと畳まないとシワの原因になります。また、腰ひもや着物クリップなどの小物を定位置に戻しておかないと、紛失します。私もいくつ腰ひもをなくしたことやら……。

 

しかし、着物の片付けは慣れていないと、脱いだ後に何をすればいいのか、何からやっていいのかわからないと思います。簡単に、脱いでから畳んで片付けるまでの流れを紹介します。

着物を脱ぐ順番

脱ぐ順番は、(羽織・コート)→ 帯 → 着物 → 長襦袢肌襦袢(着物インナー)の順です。

 

着物は裾が長いので着るときも脱ぐときも、床のよごれやホコリがあたらないようにする衣装敷きがあると便利です。なければ、大判の風呂敷の上やバスタオルの上で脱ぐとよいでしょう。

帯を外す

お太鼓の場合、以下の順序で紐をほどけば、簡単に外れます。外すときは、なるべく床にひきズラないようにしましょう。

帯締め帯揚げ → 帯枕のひも

 

しかし、振袖や変わり結びの場合、帯の形を作るために紐をいくつも使っていることがあるので、家族に手伝ってもらうのがよいかもしれません。

着物を脱ぐ

紐やコーリンベルトのクリップを外していけば、簡単に脱げます。

 

背中紐(背中心に紐を通し、えもん抜きするためのパーツ)に通している紐などは、絡まないように丁寧に外してください。

長襦袢を脱ぐ

着物同様に、紐やコーリンベルトのクリップを外していけば、簡単に脱げます。長襦袢は衿芯を抜き、半衿が汚れていれば取り外して洗えます。

着物を脱いだらすぐにやること

脱いだ後に何をどう片付けるのか説明しますね。

着物はクリーニングに出すのか、片付けてよいものか?

着物は、汚れを見つけた場合にはクリーニングに出すのがよいですが、ハンガーにかけ、着ている間に付いた湿気を飛ばしておけば、毎回クリーニングしなくても大丈夫です。

 

目立った汚れがなければ、シーズンオフにまとめて出すのがよいでしょう。近年はGWから暑いので、袷(裏地つき)の着物はGWくらい、夏物は9~10月頃に出すのがいいと思います。

着物ハンガーにかけて湿気を取る

着物ハンバーは、洋服のハンガーとは違って横の長さがあります。着物屋さんや古着屋さんでも手に入ります。こんな感じのやつです。

もしなければ、両袖を伸ばした長さがあるまっすぐな棒とS字フックがあれば、着物ハンガーの代わりにできます。たまに着物ハンガーをどこにしまったか忘れてしまうので、私は洗濯物干しの棒とS字フックで代用します。

 

着物、羽織、帯を掛けて部屋の中に吊り下げておきます。吊り下げる時間の理想は1~2時間ですが、私は一晩干しておきます。干しすぎると、伸縮率の違いで裏地が表地よりも伸びてしまうことがあるので、注意しましょう。

小物の片付け①半衿・足袋

半衿と足袋は洗えるので、私は毎回脱いだらネットに入れて洗濯機で洗っています。半衿の素材が絹の場合は縮むことがあるので、洗濯機ではなく手洗いがおすすめです。乾いたら、アイロンをします。

 

ちなみに私は縫い付けるタイプの半衿ではなく、通称「うそつき衿」を使っています。長襦袢の上にかませ、コーリンベルトのクリップで留めてしまえば、ズレてくることがなく、テープを貼ったり縫ったりする作業が不要です。

 

小物の片付け②帯締め帯揚げ・その他

帯締め帯揚げ、帯枕は洗わなくてもよいので、外して1~2時間ほど置いて湿気をとばしたら片付けます。腰ひもや伊達締めは洗えるようですが、私はほとんど洗ったことがなく、外したらどんどん片付けていきます。

着物のたたみ方は次の着る機会に影響する

着物は、購入したときについている折り目に従ってたたむことがポイントです。古着屋さんで購入した場合は、そうもいかないかもしれませんが、新しく折り目がついてしまうのは、たたみ方が間違っている証拠です。

 

YouTubeで探せばいくらでも出てくるので、動画を参考にすると分かりやすいでしょう。

着物のたたみ方

動画で見たほうがわかりやすいので、貼っておきます。

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頭側からたたむ人と裾からたたむ人がいますが、私は裾から派です。着物全部を広げなくてもたためます。

 

大事なのは、折り目に沿って畳むことです。着物は、きちんとたたむことができれば、アイロンと同じ効果があります。手アイロンをしながらたたむと、シワがきちんと伸びるので、たたむことはほんとに大事です。

長襦袢のたたみ方

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着物と長襦袢のたたみ方は違うので、こちらもきちんと覚えておきましょう。

羽織の畳み方

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羽織のたたみ方も、動画で見てください。

片付けはこれでバッチリ!

着物ででかけた後の片付けでやることを紹介しました。これで片付けもこわくないですね!

 

最初のうちは何度も確認しながらたたむことになりますが、慣れてくると手が勝手に動くようになります。何事も慣れるので、安心してください。

 

着物で色んなところへ出かけてみてくださいね!

着物でお出かけするときの不安を解消します

着物で出かけるとき、心配な事は色々出てくると思います。私も初めて1人で出かけたときは、とても緊張しました。不安要素をひとつひとつ潰して、着物で楽しくおでかけしましょう!

1人で出かける時の不安要素

食事

着物でお出かけする予定の中に食事があると、汚したらどうしよう……という不安があります。

 

着物を着ているからという理由で食べたいものを制限してしまうと、お出かけが楽しくなくなってしまうので、基本的に好きなものを選ぶのがいいとは思います。もし不安なら、最初はサンドイッチや汁気の少ないもの、ソースがかかっていないもので慣れるのがいいと思います。

 

メニューで避けるべきは、やはり麺類です。お刺身やカレーなども意外と注意が必要な食事になります。お刺身は(私だけかもしれませんが)、お刺身に醤油をつけて口に運ぶときに、醤油をこぼすことがあります。カレーもこぼしたら、染み抜きに出さないといけなくなるので、ちょっと躊躇します。

 

さらに私はよく味噌汁をこぼすので、着物のときは定食は避けます。浴衣で花火大会に行ったときは、ホットドックマスタードを衿近くに付けて帰ってきた失敗もあります。

 

着物で食事するなら”手ぬぐい前掛け”で、汚れ防止する方法がありますので、後に紹介します。

トイレ

トイレははじめのうちは不安に感じるかもしれませんが、慣れると洋服のときと同じ程度の時間で済ませることができます。

 

着物、長襦袢肌襦袢を順番にめくり上げ、裾が落ちないように帯に挟みます。

帯に挟むのが難しければ、腰ひもや着物クリップで固定しましょう。

 

私は肌襦袢の代わりに、ワンピース型の着物インナーを利用しています。着物と長襦袢をめくり上げたら、着物インナーを下から裏返して帯のあたりまで持っていきます。洋式のトイレだと、帯に挟まなくても落ちてくることは少ないので、クリップなどは使っていません。

 

でも最初のころはめくり方があまく、落ちてくることはありました。心配なら腰ひもか着物クリップはバッグに入れておきましょう!

 

トイレから出る時も、要注意です。帯のタレが上に向かってめくれていることがあるので、必ず後ろ、特に帯周辺の身だしなみは確認しましょう。

着崩れ

着崩れで最もやっかいなのは、帯が緩むことです。着崩れの心配は、ほかにも半衿が見えなくなることや裾が広がることがありますが、初心者なら最初のうちはさほど気にしなくてもよいと考えています。

 

ただ、帯の緩みは素材に問題があることもあります。個人的な見解ですが、ポリエステル素材は緩みやすい印象です。余談ですが、しっかりした織りの帯はしっかり締めるとズレることがありませんが、ポリエステル素材や織り技術がいまいちだとしっかり締めてもズレてきます。

 

帯が緩んでしまったときは、タオルやてぬぐいを下からはさみこんで帯と体の間の隙間を埋める方法があります。また、クリップで余っている帯をお太鼓の内側に押し込んで止め、帯締めをきつく結び直す方法も応急処置としてよいでしょう。

温度調節

夏は、クーラーの効いた室内だと着物でちょうどいいと感じますが、暑い場合は扇子を持っていくとよいでしょう。扇子は体の左側に上を2㎝くらい見せて、帯にはさんでおくとおしゃれに見えます。

 

冬は着物だけだと寒いです。着物にもコートがあるので、着物+羽織+コートを着ることができます。地域にもよりますが、私の住んでいるところは雪が降らないので、冬コートが欲しいと感じたことがありません。

 

そのため私は羽織+(厚手のストール)+スヌード+アームウォーマーで出かけることが多いです。小物が多いですが、温度調節には役立ちます。

 

足元はヒートテックのレギンスにショート丈のブーツ。草履をはくならレッグウォーマーを履きます。でも最近はラフな着物ならスニーカーを合わせています。らくちんです。

草履が痛くなるかも

フォーマルな席では、草履一択になりますが、カジュアルな着物なら、足元を変更できます。たとえば浴衣ならサンダルにする、前述のようにブーツやスニーカーに変更することもできます。

 

草履が痛い原因には、足指の間が鼻緒にあたって痛い場合鼻緒の両脇(かかと側の取付部分)が痛い場合があります。

 

<足の指の間が鼻緒にあたって痛い>

痛いのは、足指を鼻緒まで押し込んで履くことが原因になっているので、軽く引っ掛けるように履きましょう。

 

<鼻緒の両脇(かかと側の取付部分)が痛い>

この場合、両脇の鼻緒の付け根が買ったときのままで、狭くなっていることが原因です。鼻緒の付け根を外側に向かって折るようにして開くと、当たる部分の幅が広がるので、痛みの改善につながります。

着物でお出かけするなら鞄に入れておきたい物5選

優先順位の高い順に紹介していきます。

腰ひも&着物クリップ

腰ひも&着物クリップのセットはマストで持っていきましょう。私の着物の先生も必ず鞄に入れています。前述のようにトイレで使ったり、着崩れを直すときに使えたりします。

手ぬぐい

普段使いしたり、旅行で使ったりと、私は手ぬぐい愛用派なのですが、着物で出かけるときも鞄に入れることをおすすめしています。特に濃い色の手ぬぐいがよいですね。

 

前述のように食事で前掛けに使えます。手ぬぐいは長いので、衿元にはさみこむと帯のあたりまで隠れるので、汚れ防止にはもってこいです。

絆創膏&安全ピン

ささくれをひっぱったら血が出ることとか、ありますよね。着物のときは、特に指まわりに血がでると、着物を汚してしまうことがあるので、すぐに絆創膏を貼って汚さないように注意しましょう。

 

また、安全ピンは袖の長さを調節するときに使えます。たとえば着物と襦袢の袖の長さが合わないとき、下から襦袢が見えてしまうことがあります。そのような時は、袖を折って安全ピンで留めておきましょう。

扇子

扇子はマストではありませんが、夏場の暑い時季だけではなく、おしゃれ道具の一つとして持っているとかっこよくなります。冬場も暖房が効いて暑いこともあるので、冬場でもあると便利です。

風呂敷

エコバッグなどでもよいのですが、着物コートを掛けておく場所がない場合、たたんで風呂敷に包んでおけば、汚れる心配が減ります。荷物として着物を預ける際にも使えます。大きめの風呂敷なら、急な雨をしのぐ際に裾カバーとして使うこともできます。

 

私は出かけた先で着物を着る場合、たたんだ着物を風呂敷に包んで持って行きます。きちんとたたんでしっかり結んでおけば、着物がしわくちゃにならないんです。

不安を解消し、着物で楽しくお出かけしよう

初めて着物で出かけるのは、勇気がいるかもしれません。でも何度もやっているうちに、必ず慣れてきます!お出かけを楽しむことが大事です。

 

ぜひ着物を楽しんでくださいね。

着物を着る機会がない方へ|出番は自分で作れます!

着たい着物がたくさんあるのに着る機会が少ない。

どういうところに着物で行ってもいいのか、わからない。

と、困ることありませんか?

 

もらったり、買ったりしても、着物を箪笥の肥やしにしていてはもったいないですよね。着る機会を増やすためにも、どんなところに着物で行ってもいいのかを知っておきましょう!

 

着る機会をフォーマルとカジュアルな場の2つに分けて、紹介していきます。

着物で出かけられる「フォーマルな機会」

フォーマルな機会に着物を選ばれる方は多いと思います。人生のハレの日ですから、着物で出かけられると華やかになっていいですね!

 

フォーマルな場では、着物TPO(略してK-TPO)の知識が多少なりとも必要になります。訪問着や付け下げ、場合によっては色無地や江戸小紋、留袖などを選びます。

 

もし、手持ちの着物が場にふさわしいかわからない場合は、お店の人に訪ねてみるか、SNSの着物愛好家グループ(Facebookの着物グループなど)で質問を投げてみるとよいでしょう。

お宮参り

お宮参りは、赤ちゃんが氏神様にごあいさつに行く大切な行事なので、あかちゃんの着物と一緒にママも着物を選ぶことが多いですね。レンタルで写真撮影とセットにしてもらう方も多いでしょう。

 

お宮参りで着られる着物は、その後の七五三や式出席にも利用できるので、着物が好きな方は購入してもよいかもしれません。

七五三

お宮参りと同様、子どもの健やかな成長を願ってお参りに行く行事ですが、子どもと揃って親も着物でという方も多いと思います。写真が残るので、とてもいい記念になりますね。

式典(入学式、卒業式、結婚式)

「式」は着物で参加するのに、ぴったりなイベントですね。私も友人の結婚式は、全て着物で参加しました。着物だから目立つので、他の参加者よりたくさん写真を撮っていただけました。招待者側も喜んでくれますよ。

茶道

茶道は着物を着るにはもってこいの習い事ですよね。着物を着たいために、茶道を始めた、という話はよく聞きます。私は茶道を詳しく知らないのですが、私の着物の先生が言うには、流派や先生によってK-TPOが異なるようです。

 

着物の販売店がどれだけ茶道で着てもいいと言っていても、流派によって先生がOKを出さない着物もあるそうなので、先生に確認を取ったほうがよいでしょう。

着物で出かけられる「カジュアルな機会」

洋服でもちょっとおしゃれして出かけよう、と思う場所は着物と相性が良いお出かけ先です。フォーマルで着られる着物でも、帯や小物を変えればカジュアルダウンできることもありますが、できれば避けたほうがよいと思います。

 

カジュアルな着物だから、フォーマルより安いということはないんですが、カジュアルな着物で出かけた方が、ツウから見るとやはりおしゃれ上級者に見えます。

京都の寺社仏閣

テッパンの京都です。京都は以前から着物で観光を推奨しており、「着物パスポート」(現在利用を停止中)を使えば、美術館や飲食店で割引などの特典を受けられます。

kimono-passport.jp

日本橋

東京・日本橋でも着物で訪れると割引になる特典を用意しているようです。京都までは遠いという方は一度着物でお買い物や観光に訪れてみては?

kimono-pass.tokyo

美術館・博物館

美術館は、私も着物で訪れたことがあります。田中一村という奄美大島に移住した画家の展示会で、一村の意匠は着物になっているため、着物で来られていた方は大勢いました。私も一村の帯を2本持っていて、本当に大好きな画家だったので、着て行けたのはとても良かったです。

 

美術館や博物館は、静かで空調も効いているいるため、着物で行くにはうってつけの場所だと思います。

歌舞伎・観劇・相撲・寄席

着物で見に行かれる方が多いイベントなので、普段着物で出かけることに慣れていない方でも浮いたらどうしようなどの心配がなく、参加しやすいでしょう。座ってみているだけなので、旅行などよりはハードルが低いのがよいと思います。

初詣

着物だけだと寒いので、しっかり防寒対策をして出かけましょう。私は着物の下にヒートテックやらアームウォーマーやら仕込んでいきます。初詣は砂利を歩くことも多く草履では冷えるので、冬場の足元はショート丈のブーツにすることもあります。

ホテルなどのきちんとしたレストラン

ちょっといいレストランで食事をするときに、着物でいくのはおすすめです。私はちょっといいレストランじゃなくても、着物で入ることがあるのですが、よいサービスをしてもらえます。

 

値段の張るレストラン側としても、着物を着たお客様が来られるとお店のイメージがよくなるので、歓迎してくれるところが多いです。

 

スタバでも「素敵なお着物ですね!」と声かけてもらえますよ!

着物屋さんの販売会や展示会

普段行きつけの着物屋さんがある方は、招待状が届くことがあります。着物屋さんの開催する販売会であれば、着物で参加できます。

 

ただし、もちろん着物のセールスがあるので、あまり初心者向けのお出かけ先とは言えません。私は、着物屋さんの営業から電話がかかってきて、誘われたから行く、というスタンスで行って、購入しないで帰ってくることはあります。

 

見るだけ見て、いらなければきちんと断れる方にはおすすめです。着物の知識は、たくさんの着物を見て、目を養うことだと思っているので、このような機会も大事にしています。

海外旅行(特にフランスいったらモテると噂)

私の着物の先生が、パリで着物を着て出かけたそうですが、写真を一緒に撮ってくれと言われたり、たくさん褒めてくれたり、美にうるさいパリジャンからかなり良い反応があったそうです。

 

ただし、ゴミがいたるところに落ちているなど、街や公共施設が汚いようなところはおすすめできません。

国内旅行でも着物でいけるところはたくさんある

鎌倉や金沢、倉敷、飛騨高山などの昔ながらの風情が残る街、着物の産地でもある奄美大島八丈島、米沢、十日町、博多なども、着物で歩く街の候補にしてみてもいいですね。

 

私は奄美大島に、大島紬を持って旅行に行き、ホテルティダムーンに泊まるのが今の目標です。

 

着物で行ける場所をぜひ探してみてください

身近にも着物を着る機会はたくさんありましたね。フォーマルな機会はなかなか難しいですが、カジュアルな機会のほうが、やはり多いし作りやすいと思います。旅行の計画を考えるだけで心が躍ります。

 

旅行や食事など、着る機会を見つけてみてください。