9月23日、秋分の日に京都の千両ヶ辻祭りを見に行ってきました。
着物に関係のあるお祭りだから着物で出かけたかったのですが、台風15号と重なり朝から雨だったので、洋服で行くことにしました。
「地元の人でもあまり知られていないお祭りなのに、よく知ってましたね」と言われました。ディープな京都の旅がしたい方や着物で京都を観光したい方には、千両ヶ辻近辺はおもしろいかもしれませんよ。
千両ヶ辻祭りの概要
開催日時:令和4年9月23日(金・秋分の日) 10時~16時30分
着物のまち、千両ヶ辻の場所
千両ヶ辻は、江戸時代から生糸や織物問屋が並び、生糸や織物の取引で1日に千両が動いたといういわれがあり、その名がついたそうです。築100年を超える町家があり、見学することができます。
9月23日は近くにある清明神社でお祭りがあり、それに合わせて千両ヶ辻でも祭りが開催されるようになりました。今回で18回目(コロナの影響で3年ぶり)の開催です。
京都駅からバスで30分くらいで着いたと思います。ただ、「大宮中立売」で降りなければならないところを、間違えて1つ手前の「堀川中立売」で降りてしまって、少し余分に歩きました。中立売がいくつもあるとは思ってなくて、中立売に反応して降りてしまいました。
雨で中止になったイベント
台風15号の影響で雨が降っており、中止になったイベントもありました。
中止されたイベント
着物でそぞろ歩きは、私もエントリーしていたんですが前日に中止の連絡がありました。残念ですが、また来年リベンジしたいと思います。
周ったルートと見所
今回私が回ったのは、会場の地図の一番下にあるユニクロからスタートし、上に向かって進み、清明神社のお祭り・西陣会館を見学、北野天満宮の方へ向かうコースにしました。
「西陣くらしの美術館 冨田屋」で町家見学
※室内のカメラ撮影、練習中。
昔の調度品などがそのまま残されており、素敵でした。中が自由に見学できるようになており、小物や着物の販売もされていました。
「京そめ塾」築150年の町家公開・手摺り型友禅体験
町家見学と友禅の体験ができ、和小物やお茶葉を販売されていました。奥に入ると友禅の着物が作られるまでの工程と、友禅の着物が飾ってありました。
「上香園」でちょっと一息
友禅の町家の前できれいなドリンクを販売していたので、その中の一つ抹茶レモンソーダを注文しました。京都らしくお抹茶を点ててくれて、レモンソーダの上に抹茶をかけます。
意外ですが(失礼!)、レモンも抹茶もどちらも味がしっかりしているのに飲みやすくて美味しかったです。レモンソーダの酸味が少なく、甘めだったので抹茶と相性が良いのかもしれません。
ちょっと後悔したのが、お店の前で飲み切ってから次に移動すれば良かったです。町家の軒下でスコーンやドリンクを販売しているお店が多かったので、食べながら歩いてもゴミ箱があるだろうと思っていたのですが、全然見当たらず。
「JK’vegetable garden」ドライフラワーとちょっと変わった野菜の販売
抹茶レモンソーダを購入したお隣では、ドライフラワーと見慣れない野菜の販売がありました。唐辛子は茎から取りはずしていなくて、このままドライフラワーにして楽しんでから料理に使ってもいいとおっしゃってて、色んな楽しみかたがあるんだなぁ、と勉強になりました。
2つ購入したのですが、右の袋に入っているのはシソの実です。売っているのは初めて見ました。塩漬けにしておにぎりにすると美味しいらしいです。他にもレシピがないか探してみます。
そして左のやつがなんだったか思い出せなくて、豚バラと一緒に炒めると美味しい、と言われたことしか覚えていないという。。。食い意地がすごい(笑)
「瓢堂珈琲」でお昼代わりの飲茶
祭りのメインストリートから少し逸れたところ、清明神社の近くにある「瓢堂珈琲」という飲茶のお店に入りました。ちょっと狭いお店なのでたくさんは入れませんが、おしゃれできれいなお店でした。
お昼は飲茶一択で、シュウマイ×2、水餃子×2、ちまき、スープ、お茶のセットです。正直「少なっ!」って思いましたが、めっちゃ美味しいです(でもやっぱり2時間くらいですぐにお腹空いてしまいました)。
餃子の肉汁とタレには注意が必要ですが、着物で来ても食べやすいのでいいと思います。
なかでも特に、お茶が美味しかったです!!今まで飲んだことのない味のお茶で、緑茶ともジャスミン茶とも違うし、でもさっぱりしていてシューマイみたいなお肉との相性がすごく良い!
帰り際に「どんなお茶使ってるんですか?」って聞いてしまいました。
出されたお茶は、「梨山茶」という烏龍茶なんだそうです。市販の烏龍茶とは全然味が違うので、気になったかたは試してみてください。
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以上で、千両ヶ辻祭りの見学を終えました。紹介はしませんでしたが、着物や和小物の激安バザーなどもやっていました。
着物クイズとかに戻ろうかとも思いましたが、中途半端な時間になってしまったので、清明神社の様子を見て西陣会館へ行くことにしました。
清明神社では屋台やおみこしが出てました。でも人が多くて、雨でおみこしにビニールがかかっていたので、めぼしい写真も撮れずです。
西陣会館の見学
西陣会館は織物をテーマにした施設で、職人さんの制作実演を見学できます。機織り機があり、川島織物の和小物などが販売されているほか、八つ橋のお土産コーナーもありました。
市街地に観光客の多い日でも西陣会館は人が少なく、ゆっくり施設のなかを見学できました。
友禅の下書きを見学
正絹の反物に、墨で友禅の絵柄を下書きしているところを見学しました。友禅の絵を描かれるようになって65年だそうです。下絵の上に生地をおいて、なぞっています。模様は後ろにかけてある反物と同じ柄です。
むかしは「作家」と呼ばれたこともあるけど「職人」を目指してやってきた、とおっしゃってました。私も作家が作ったものではなく、職人の作ったものを選ぶ傾向にあります。作り手側もやはりそう考えるのかと、ちょっと納得しました。
ここからは私の考えなのですが、作家と職人では何が違うのかというと、そもそも作家と名乗るのには根拠が必要なく、職人のように技術を客観的に測ることができません。もちろん作家の中にも人間国宝などになり、評価されている方はいます。
しかし作家の定義はあいまいで、愛好家や趣味、副業レベルでも作家だと言えばそれで通してしまえるところが、私は好きではありません。
これは着物小売業界の売り方にも問題があると思うのですが、作家ブームもあって見境なく「作家さんの作った着物」というくくりで売っていることがあります。私も過去に、着物の愛好家として有名な方がデザインした着物を勧められたことがありました。
一方職人は、きちんとした技術を身に付けなければ一人前と認められないため、その基準が作家より明確です。
もちろん着物のデザインが好きだったり、作家の人柄が気に入ったりしたなら、購入するのはとても良いと思います。ただ、着物業界での「作家さんが作った着物」というのは、注意したほうがいいと思います。余談が長くなってしまいました。
組みひも織りを見学
丸台を使って組みひもを織る実演をしており、こちらも見学させていただきました。
これまでに作られた組みひもの実物も見せていただきました。着物屋さんでは見たことがないようなデザインが色々あって、どれもかわいいです。機械で作られたものより、編み目一つ一つの粒がふっくらしていて、手織りの良さがでていました。
どの組みひもも色柄が素敵で、「こういうのって色の組み合わせが重要ですが、どうやって決めているんですか?」と質問しました。その答えは「慣れ」だそうです。
見本などを見ながらたくさん作っていくうち、色合わせを上手く決められるようになるそうです。編み目を間違えたり、途中まで作ってなんか色が違うってなった場合には、ほどいてやり直すとのことでした。
うーん、根気がいる仕事ですね。
感想
千両ヶ辻祭りは、着物で行けなかったのがとても残念でした。どうせなら着物ショーにも出たかった(´;ω;`) 着物そぞろ歩きなる企画は今年初めてだったそうで、初企画が初中止とはなんとも気の毒です。
ですが今も残る町家の見学は、このような機会にしかなかなかできないのでとても楽しかったです。どこの町家も清掃が行き届いていて、ほんとに大事に今に受け継がれていることがわかります。
実はこのあと、私は台風の影響で新幹線で家に帰れなくなり、急遽ホテルに泊まることになりました。雨コートもあるので着物でこれなくもなかったですが、正直着物で来なくてほんとによかったと思いました。
旅行のときはやはり天気と相談しなければいけませんね。
来年は着物でリベンジしたいと思います。